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「3枚目の投票用紙」をもっと考えよう

衆議院選挙の余韻も覚めやらない昨日、最高裁判所大法廷が在外邦人の小選挙区(衆議院)および選挙区(参議院)の選挙権が制限されていることについて違憲との判断を示しました。実際に衆議院の300もある小選挙区の投票を海外でどう行うのかというのはかなり難しいとは思うんですが、最高裁が久々に「司法の番人」としての存在感を見せた判断といえるのではないでしょうか。この番人たちに対してわれわれ国民がそのふさわしさを判断するのが衆議院総選挙と同時に行われる「最高裁判所裁判官の国民審査」ですが、衆議院選挙が盛り上がれば盛り上がるほど逆に存在感が薄くなる気がします。総選挙の時に渡される「3枚目の投票用紙」に、われわれ国民はもっと積極的になってもよいのではないでしょうか。

最高裁判所裁判官の国民審査は憲法79条の第2項から第4項で規定されていて、任官後初めての総選挙および審査から10年を経ってから最初の総選挙でそれぞれ国民審査を受けることになり、投票総数の多数が罷免すべきとした場合はその裁判官は罷免されます。ただ実際に審査用紙に列記された裁判官の名前を見てもさっぱりわからない…というのが多くの有権者の本音だと思います。中には誰かしらを選ばなければならないと思い、よくわからないまま一番最初に名前が出ている裁判官名に印をつける人も少なからずいるようです。「罷免すべき」の数は一番最初に名前が書かれている裁判官が多い、というのが毎回の傾向です。
選挙と違いますから裁判官は駅前で演説会をしたりしませんし、刺客が登場するわけでもないですから盛り上がりに欠けるのは当然なのかも知れませんが、それにしてもこの国民審査が形骸化するというのはいかがなものでしょうか。少なくとも選挙公報とともに国民審査を受ける裁判官の名前とともに大法廷でどのような意見を出したかということを出したほうがよいのではないでしょうか。
もうすぐ裁判官制度が始まり、司法がわれわれに身近なものになって行きます。そういった時流の中、司法のトップに立つ人々を審査するということをもう少し真剣に考える時期といえるのではないでしょうか。
posted at 14:13:29 on 2005-09-15 by noriori - Category: Main TrackBacks

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