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ありがとう氷川丸とマリンタワー、また会う日まで

今年のクリスマスを持って営業終了となる横浜の氷川丸とマリンタワーに出かけてきました。久々に写真たっぷりでお届けします。
氷川丸のデッキにかがけられた「イママデアリガトウ」の文字。こちらも同じ想いです。

氷川丸は日本郵船シアトル航路用の貨客船として昭和5年に横浜の三菱造船所(みなとみらい地区のドッグヤードガーデンのところ)で竣工し、同年５月から就航しました。昭和16年までに横浜―シアトル間を73回往復し、昭和16年には海軍に徴用。病院船として主に南方で活躍した後に終戦後は復員・引き上げ船としてフル回転し、昭和28年より再びシアトル航路に復帰。昭和35年にシアトル航路が休止になり、これをもって横浜港の定期外国航路は姿を消すことになりました。この間、秩父宮ご夫妻やチャップリンの名が乗船名簿に刻まれました。また、柔道の祖・嘉納治五郎翁がその生涯を終えたのもこの氷川丸でした。その後昭和36年に横浜開港100年の記念事業として山下公園に係留され、今日まで横浜港を見守り続けていました。
その横浜開港100年を記念して建てられたのが、氷川丸の近くにあるマリンタワーです。地上106メートルの高さは灯台建築としては世界一です。
この氷川丸とマリンタワーは日本郵船の関連会社であるその名も「氷川丸マリンタワー株式会社」によって運営されていたのですが、採算上の理由などから今年の12月25日をもって営業を終了することになりました。
僕は横浜という街が大好きでよく出かけます。みなとみらいやベイブリッジ、ランドマークタワー、パシフィコ横浜などが出来て横浜の風景がだんだん変わる中でも、山下公園まで来るといつものように氷川丸が舫っていて、マリンタワーが横浜港を照らす姿に何か安心感を覚えたものです。ところが見ることで満足してしまったため、氷川丸にしてもマリンタワーにしても入場料を払って中に入ったのは実に久しぶりでした。どんな施設でも当然維持費や人件費はかかるわけで、何か申し訳ない気持ちいっぱいで見学してきました。
氷川丸も一時はイベントで収益を上げようとして幽霊船みたくなった時は悲しかったのですが、今では往年の姿を取り戻し、特にアールデコ様式の一等ダイニングサロンなどは「品格」を感じました。映画「タイタニック」が流行った頃には訪れるカップルが多かったという船首部分ではペンキの塗り替えをしていました。作業の方によりますと、日本郵船でもいずれ営業を再開したいという気持ちはあるようなので安心しました。
そしてマリンタワー。遠くはややかすんで富士山を見ることは出来ませんでしたが、やはり海の眺めは素晴らしいです。ただ高い建物がだいぶ増えてきて、昔よりは視界が狭くなった気もします。このあたりも今日の結果に至った遠因かもしれません。
今後、氷川丸は前述の通り日本郵船に、マリンタワーは横浜市にそれぞれ返還される形となります。横浜市もマリンタワーの指定管理者を募集しているようなので、そう遠くないうちにまた見学できるのかも知れませんが、とりあえずのサヨナラです。25日の営業終了後には、氷川丸は感謝の意を表す長音三声の汽笛を鳴らすそうです。なにかこの汽笛を聞いたらウルウルしそうです。

この日大桟橋には飛鳥2が帰港中。マリンタワーから撮った先輩後輩のツーショット