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平成7年の阪神淡路大震災の発生から10年が経ちました。
昨年は後半に新潟県中越地震、そしてインド洋の大規模な地震津波が発生したこともあり、ここ数日はテレビでもこぞって地震のことを取り上げています。
阪神淡路大震災の前にも奥尻島の津波地震や三陸はるか沖地震など大きな地震が起きていましたが、近代日本の大都市が初めて体験した直下型地震（地方都市では新潟地震などがありましたが）ということで大変大きな被害となり、またそれまでの「防災」の考え方の甘さを浮き彫りにした形となりました。
この10年で、日本人の「防災」に対する考え方は官のレベルでも民のレベルでもかなり現実的なものとなったと思います。ただ、まだまだ官に頼りすぎなのかなという感もします。大規模災害は支えるべき官の人々は同時に被災者となっていて、応援に遠くから駆けつけた人たちは勝手がわからず…ということは十分に考えられることなので、そのあたりの意識改革がもう少し必要かもしれません。また、昨年の新潟（豪雨災害のあとの大地震）、一昨年の宮城（大地震が二回）といったような短期に複合的に起こる災害に対する備えをどうするかという点ではまだまだ改善が必要と思います。歴史を振り返れば黒船来航の頃、東海沖地震と南海沖地震が30時間あまりの間に立て続けに発生し、その少し後には江戸で直下型地震が発生したという事実もあるのですから。
2002年の暮れから2003年の春先にかけて、仕事で兵庫県明石市に長期滞在していました。その時に暮らしていた街は新しい建物が多く、震災の爪跡は感じられませんでした。よく出かけた明石市立天文科学館も震災で大きな被害を受けたのは報道で知っていましたが、そのことを微塵も感じさせませんでした。街並みは震災があったことを忘れてしまうほど立派になりましたが、「復興宣言」は今回は出ないことになりました。実際に被災した方々にとっては、街がきれいになってもまだまだ「復興」と感じられないということなのだと思います。関東大震災の時は約６年半で「帝都復興完成記念式典」が行われ、その約半年後には当時の永田秀次郎東京市長が演説をしています。その最後の部分が印象的なので、最後に紹介したいと思います。
「いまや東京市は２３０万人の人口を擁し、帝都復興の大事業も既に完成を告げ、ここに帝都たる威容愈々整備されるに至った。しかしながら未だ解決されぬ幾多の重要問題が山積し、市政は愈々日を逐うて多難に行政は益々複雑になっている。東京市を救うものは東京市民である。東京市政の利害得失を真ともに受けるのもまた２３０万市民である」
いつの日か、本当の「復興宣言」が出る日を祈りながら…。
昨年は後半に新潟県中越地震、そしてインド洋の大規模な地震津波が発生したこともあり、ここ数日はテレビでもこぞって地震のことを取り上げています。
阪神淡路大震災の前にも奥尻島の津波地震や三陸はるか沖地震など大きな地震が起きていましたが、近代日本の大都市が初めて体験した直下型地震（地方都市では新潟地震などがありましたが）ということで大変大きな被害となり、またそれまでの「防災」の考え方の甘さを浮き彫りにした形となりました。
この10年で、日本人の「防災」に対する考え方は官のレベルでも民のレベルでもかなり現実的なものとなったと思います。ただ、まだまだ官に頼りすぎなのかなという感もします。大規模災害は支えるべき官の人々は同時に被災者となっていて、応援に遠くから駆けつけた人たちは勝手がわからず…ということは十分に考えられることなので、そのあたりの意識改革がもう少し必要かもしれません。また、昨年の新潟（豪雨災害のあとの大地震）、一昨年の宮城（大地震が二回）といったような短期に複合的に起こる災害に対する備えをどうするかという点ではまだまだ改善が必要と思います。歴史を振り返れば黒船来航の頃、東海沖地震と南海沖地震が30時間あまりの間に立て続けに発生し、その少し後には江戸で直下型地震が発生したという事実もあるのですから。
2002年の暮れから2003年の春先にかけて、仕事で兵庫県明石市に長期滞在していました。その時に暮らしていた街は新しい建物が多く、震災の爪跡は感じられませんでした。よく出かけた明石市立天文科学館も震災で大きな被害を受けたのは報道で知っていましたが、そのことを微塵も感じさせませんでした。街並みは震災があったことを忘れてしまうほど立派になりましたが、「復興宣言」は今回は出ないことになりました。実際に被災した方々にとっては、街がきれいになってもまだまだ「復興」と感じられないということなのだと思います。関東大震災の時は約６年半で「帝都復興完成記念式典」が行われ、その約半年後には当時の永田秀次郎東京市長が演説をしています。その最後の部分が印象的なので、最後に紹介したいと思います。
「いまや東京市は２３０万人の人口を擁し、帝都復興の大事業も既に完成を告げ、ここに帝都たる威容愈々整備されるに至った。しかしながら未だ解決されぬ幾多の重要問題が山積し、市政は愈々日を逐うて多難に行政は益々複雑になっている。東京市を救うものは東京市民である。東京市政の利害得失を真ともに受けるのもまた２３０万市民である」
いつの日か、本当の「復興宣言」が出る日を祈りながら…。
posted at 05:46:00 on 2005-01-17
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